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コンベヤチエンの選定 |
輸送条件 |
↓ |
コンベヤ形式の決定 |
↓ |
チエン形式の決定 |
↓ |
チエン張力の決定 |
↓ |
チエンサイズの決定 |
↓ |
その他の留意事項 |
↓ |
選定の完了 |
輸送条件
コンベヤ名称 | |
輸送物 | |
・寸法 | |
・質量 | (kg) |
・温度 | (℃) |
・腐食性 | 普通・腐食性小・腐食性大 |
・磨耗性 | 普通・磨耗性小・磨耗性大 |
輸送量 | (t/h) |
・ばらもの比重 | (g・mm3) |
・かずもの | (kg/個) |
コンベヤ機長 | (m) |
チエン速度 | (m/min) |
チエン条数 | (本) |
各間距離 | (m) |
稼動時間 | (h/日) |
潤滑の有無 | 有・無 |
正逆転の有無 | 有・無 |
使用モーター | (kW) |
雰囲気温度 | (℃) |
衝撃の程度 | 円滑・衝撃小・衝撃大 |
冷却及び乾燥 | |
輸送j方法 | |
その他の条件 |
チエン番号 | |
チエンピッチ | (mm) |
平均引張強さ | (kgf) |
アタッチメント形式 | |
アタッチメント取付間隔 | (ピッチ毎) |
歯数 | |
ボス形式 | |
ボス径 | (mm) |
ボス幅 | (mm) |
軸穴径 | (mm) |
コンベヤ形式の決定
ローラ形式
チエン速度とピッチの選定
チエン速度が大きくなると、チエン本体および取り付け物の振動、或いはスプロケットと噛合う際の衝撃によって チエンの寿命を縮めることになりますのでチエンのピッチはその速度により制限されます。 一般にチエンのピッチは、所要の条件を満足する範囲内でできるだけ小さく選定することが稼動時の衝撃を緩和 し寿命を保つのに効果があります。 チエンのピッチによるスプロケットの回転数nは、次の式で求められます。 |
選定に関する係数
チエン速度(m/min) | 効率η |
10以下 | 0.75 |
10〜20 | 0.80 |
20〜30 | 0.85 |
30以上 | 0.90 |
2.チエンとガイドレール間の摩擦係数μ1
@チエンとガイドレール間の転がり摩擦係数μ1
ローラ外径(mm) | 給油 | 無給油 |
50以下 | 0.15 | 0.20 |
50〜65 | 0.14 | 0.19 |
65〜75 | 0.13 | 0.18 |
75〜100 | 0.12 | 0.17 |
100以上 | 0.11 | 0.16 |
ベアリング入りローラ | 0.03〜0.05 | |
ブシュドチエン(スベリ) | 0.30 | 0.43 |
Aチエンとガイドレール間のすべり摩擦係数μ1
温度(℃) | 給油 | 無給油 |
常温〜400 | 0.20 | 0.30 |
400〜600 | 0.30 | 0.35 |
600〜800 | 0.35 | 0.40 |
800以上 | − | 0.45 |
?Bチエン速度による安全率SF
チエン速度(m/min) | 安全率SF |
20以下 | 7 |
20〜30 | 7〜9 |
30〜40 | 8〜10 |
40〜50 | 9〜13 |
50〜60 | 10〜15 |
60以上 | 12〜20 |
?C運転条件による修正係数α
使用条件 | 1日の稼動時間 | ||
<5時間 | 5〜10時間 | >10時間 | |
良好 | 1.0 | 1.0 | 1.2 |
普通 | 1.0 | 1.2 | 1.4 |
やや悪い | 1.2 | 1.4 | 1.6 |
非常に悪い | 1.4 | 1.6 | 1.8 |
ここでいう使用状況の「良好」とは ・ 荷重がほぼ均等 ・ 衝撃荷重がない。 ・ 雰囲気は清浄で常温 ・ チエンの潤滑は良好 を示します。 |
?D鋼板と輸送物間の摩擦係数μ2と見掛比重
輸送物 | μ2 | 身掛比重(g/cm3) |
亜鉛 | 0.72 | 0.44 |
亜鉛粉末 | 0.50 | 1.55〜2.36 |
アルミナ | 0.36 | 0.74 |
鉛粉 | 0.56 | 4.0 |
鉄粉 | 0.50 | 2.04〜2.36 |
クリンカー | 0.43 | 1.59 |
隣鉱石 | 0.49 | 1.42〜1.60 |
シリコン、マンガン鉱石 | 0.56 | 5.0 |
酸化チタン原料鉱石 | 0.39 | 2.43 |
蛍石粉末 | 0.42 | 1.75〜2.30 |
焼結鉱戻粉 | 0.40 | 1.57 |
ボーキサイト | 0.65 | 0.09〜1.30 |
生硅素土 | 0.53 | 0.25 |
珪砂 | 0.46 | 1.34 |
セメント | 0.54 | 1.15〜1.58 |
セメント焼成ダスト | 0.50 | 0.88〜1.18 |
コークス(0.8%H2O) | 0.32 | 0.50 |
石灰ダスト | 0.53〜0.64 | 0.48 |
陶土(0.2%H2O) | 0.50 | 1.06 |
消石灰 | 0.53 | 0.42 |
炭酸カルシウム | 0.83 | 0.17 |
芒硝 | 0.49 | 0.85 |
化成肥料 | 0.55 | 1.13 |
尿素 | 0.64 | 0.54〜0.69 |
アセテート原料 | 0.58 | 0.34 |
ウッドチップ−17%H20 | 0.69 | 0.21 |
塩化ビニール粉末 | 0.29 | 0.61 |
ビニールペレット | 0.46 | 0.75 |
ペレット | 0.53 | 0.50 |
小麦 | 0.50 | 0.70〜0.77 |
大麦 | 0.48 | 0.75 |
でん粉 | 0.55 | 0.62 |
注 意 |
ここに掲載している数値は、一般的な使用条件における平均的な値を示しています。特殊な使用条件では適用できない場合がありますので、この場合は当社までご相談ください。 |
チエンサイズの決定
チエンサイズの決定は、計算で求めたチエン張力にチエン速度による安全率SFおよび運転条件による 修正係数αを乗じた必要強度を求め、平均引張強さがこれを満たすチエンを選定します。 |
注 意 |
この式はチエン選定の基本的考え方を示したものです。実際の選定にあたっては強度のみでなくチエンの使用雰囲気(磨耗性・腐食性の有無、高温または低温の場合等)を考慮して選定することが必要です。 |
チエンの許容軸受平均面圧の目安
チエンの摩耗は、許容軸受面圧が影響します。 特に、接触する相手の材質、硬さ、加工精度などによって大きく変化します。 下表に通常チエンに使用される材質の組合わせによる許容軸受平均面圧を示します。 |
材質の組合せ | スプロケット噛合い時 P1 |
走行時 | |
P2 | P3 | ||
浸炭鋼 − 浸炭鋼 | 300 | 60 | 25 |
浸炭鋼 − 焼入鋼 | 250 | 60 | 20 |
浸炭鋼 − 焼入鋼 | 200 | 55 | 20 |
焼入鋼 − 焼入鋼 | 230 | 50 | 17 |
浸炭鋼 − 高周波焼入鋼 | 230 | 60 | 25 |
焼入鋼 − 高周波焼入鋼 | 220 | 55 | 25 |
浸炭鋼 − 非焼入鋼 | 180 | 30 | 17 |
浸炭鋼 − 鋳放鋳鉄 | − | 25 | 17 |
注 意 |
上記の表中の値は、適正な給油が行われていて、かつ特殊な使用雰囲気でない場合です。特殊な使用雰囲気の場合は当社まで不ご相談ください。 |
チエンの張力の決定
チエンにかかる最大張力は計算によって求めることができます。
注 意 |
始動時や運転中の衝撃荷重は、コンベヤの構造、輸送物の性質や運転条件によって異なりますので考慮してください。 |
記号 | 内容 | 単位 |
T | チエンに作用する最大張力 | kgf |
Q | 最大輸送量 | t/hr |
S | 輸送速度(チエン速度) | m/min |
C | スプロケット中心距離 | m |
V | 垂直方向スプロケット中心距離 | m |
H | 水平方向スプロケット中心距離 | m |
ω | 運行部の質量(チエン、バケット、エプロン等) | kg/m |
μ1 | チエンとガイドレール間の摩擦係数 | − |
μ2 | 輸送物と底板、側板間の摩擦係数 | − |
η | 駆動部の伝動機械効率 | − |
kW | 所要動力 | kW |
W | コンベヤ上の合計輸送物質量 | kg |
輸送方式 | 計算式 | |||
チエン張力 | 所要動力 | |||
水 平 輸 送 |
輸送物を乗せて 運ぶ場合 (スラットコンベヤ、 エプロンコンベヤ等) |
かずもの 輸送の 場合 |
||
ばらもの 輸送の 場合 |
||||
輸送物をかいて 運ぶ場合 (フライトコンベヤ等) |
− | |||
垂 直 輸 送 |
輸送物を吊るして 運ぶ場合 (トレーエレベータ等) |
かずもの 輸送の 場合 |
||
輸送物が粉粒状の 場合 (バケットエレベータ等) |
ばらもの 輸送の 場合 |
注意 バケットエレベータでは輸送物がバケットに投入されるときの荷重増を考慮して、スプロケット中心距離Cを下記の値だけ増して計算してください。 連続式バケットエレベータ 1.5m 間隔式バケットエレベータ 3.0m |
||
傾 斜 輸 送 |
輸送物を乗せて 運ぶ場合 (スラットコンベヤ エプロンコンベヤ等) |
かずもの 輸送の 場合 |
||
ばらもの 輸送の 場合 |
||||
輸送物をかいて 運ぶ場合 (フライトコンベヤ等) |
− | |||
− | 注意;Tの式中(H×μ1−V<0)のときは(H×μ1−V=0)とする kWの式中(V−H×μ1<0)のときは(V−H×μ1=0)とする |
次のような雰囲気でチエンを使用するときは、それぞれの条件に適した材質や硬さ等を選定することが必要です。 |
高温時の代表的使用材質 | 低温時の代表的使用材質 | |||
使用温度(℃) | 使用材質 | 使用温度(℃) | 使用材質 | |
常温〜200 | 標準材質 | 常温〜−10 | 標準材質 | |
〜450 | 特殊合金鋼、ステンレス鋼 | 〜−30 | 特殊合金鋼、ステンレス鋼 | |
〜700 | ステンレス鋼 | 〜−60 | ステンレス鋼 |
注 意 |
・ここに示す材質は代表的な例を示したもので、実際に材質を選定するときは当社までご相談ください。 ・温度による選定を行う場合、下記のような現象がありますので注意し選定してください。 @高温の場合 ?A低温の場合 ・熱による材料の酸化による強度低下 ・材料の低温脆性による強度の低下 ・熱処理効果減少による摩耗の進行 ・水分凍結による回転、屈曲不良 ・熱膨張などによる回転、屈曲不良 ・潤滑油凍結による凝固 ・潤滑油の炭化による効果減少 |
3.水、水蒸気がかかる場合 洗 浄機、消毒機、ウォータースクリーンのようにチエン自体に直接水がかかったり、加熱蒸気中を通ったりするような場合にはチエンが酸化されて寿命を縮める結 果となります。この場合は必要に応じて、塗装などによる防錆措置を施したり、ステンレス鋼など耐水用の特殊材料を使用する必要があります。特に海水の影響 がある場合には腐食と摩耗が同時に起こるため、注意を払う必要があります。また、各部品のスキマはできるだけ大きくとり錆付を防ぐことも必要です。 4.酸、アルカリなどの化学作用を伴う場合 硫酸や硝酸液などがチエンにかかる時は通常の機械的摩耗の他に腐食が加わって摩耗が助長されます。 チエンはアルカリよりも酸に侵され易い性質をもっています。 また、荷重が小さくても応力腐食割れや水素脆性によりかん合部よりクラックが入ることがあるので充分注意することが必要です。 |
耐食性に対する代表的な材質
液体名 | 標準材質 | 400クラス ステンレス |
300クラス ステンレス |
液体名 | 標準材質 | 400クラス ステンレス |
300クラス ステンレス |
水 | × | ○ | ○ | 硫酸 | × | × | × |
水蒸気 | × | ○ | ○ | 酢酸(5%) | × | × | ○ |
石鹸水 | △ | ○ | ○ | 燐酸(10%) | × | × | △ |
アンモニア水 | △ | ○ | ○ | 硝酸(5%) | × | △ | ○ |
苛性ソーダ(25%) | × | ○ | ○ | フッ化水素 | × | × | × |
海水 | × | × | △ | 木酸 | × | △ | ○ |
塩酸(2%) | × | × | × | 下水汚泥 | × | ○ | ○ |
(○印:耐食性あり △印:耐食性ややあり ×印:耐食性なし )
注 意 |
この表は代表例であり、実際の選定では使用条件のもとで事前にチエンの耐食性をチェックしてください。 |
選定例1 | 選定例2 |