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ローラチエンの選定

選定に関する係数選定に関する計算式選定法の概要一般選定法低速選定法
吊り下げ駆動選定法温度選定法特殊環境下での選定法

選定に関する係数

チエンの選定に使用する係数については表1〜表5に示します。
各数値については、平滑な運転条件を前提としていますので特殊な条件下では使用できません。

使用係数
チエンの伝動能力は、平滑な運転状態を前提としていますので、付加条件により伝動能力を修正する必要があります。このとき、表の使用係数を使用します。
表1 使用係数 αu
負荷の種類 使用機械例 原動機の種類
電動機 内燃期間
流体機構付 流体機構なし
円滑な負荷 ポンプ、ブロアー、発電機
攪拌機、コンベヤ
負荷変動の少ないベルト
1.0 1.0 1.2
多少の衝撃
を伴う付加
一般工作機械コンプレッサー
自動炉、乾燥機
多少変動のあるコンベヤ
1.3 1.2 1.4
大きな衝撃
を伴う負荷
クラッシャー、鍛圧機
プレス、ミキサー
土木鉱山機械
1.5 1.4 1.7

速度係数
速度係数は、チエンの走行速度が大きくなるに従って厳しい使用状態となりますので、その厳しさを表すものです。このとき表の速度係数を使用します。
表2 速度係数
チエン速度 速度係数
〜15m/min 1.0
15〜30m/min 1.2
30〜50m/min 1.4

多列係数
多列チエンの伝動能力は、単列チエンの伝動能力に表の多列係数を乗じたものです。
表3 多列係数
列数 多列係数
1.7
2.5
3.3

注 意
単列チエンの列数倍にはなりません。

安全係数
安全係数は下式によって表され、一般的に7〜10以上確保します。しかし、使用条件(チエン速度、雰囲気温度、負荷のかかり方など)によっては、安全係数の値を大きくする必要があります。また、法令などにより定められているときは、それに従ってください。
表4 安全係数
チエン速度 安全係数
〜25m/min
25〜50m/min

アンバランス荷重係数
吊り下げ用に、2本、4本のチエンを使用するときは、チエンにかかる荷重は均一にはなりません。そこで、表のアンバランス荷重係数を使用して1本のチエンにかかる荷重を算出します。
表5 アンバランス係数
吊本数 アンバランス荷重係数
2本吊り 0.6
4本吊り 0.35
例)W=3000kgfの品物を4本のチエンで吊り下げるときの1本のチエンにかかる荷重W1kgf

W1=W×αβ
   =3000×0.35
   =1050(kgf)

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選定に関する計算式

チエン長さ (リンク) 定格出力から求めるチエン張力 (kgf)
チエン速度 v(m/min) 補正伝動能力 kW’ (kW)
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選定法の概要
選定は、ローラチエンの使用方法や環境によりその方法が異なります。下表により適切な選定方法を選択してください。
使用方法・環境 選定法 備 考
一般選定法 伝動能力表による選定
低速選定法 チエン速度が、50m/min以下のときに適用できます。
吊り下げ駆動選定法 チエン速度が、50m/min以下のときに適用できます。
使用雰囲気温度が
−10℃以下
150℃以上
   の時
温度選定法 温度によるチエンの強度低下率を示しています。
チエンに水がかかったり
酸・アルカリなどが
直接かかる場合
特殊環境下での選定法 ステンレスローラチエンと腐食性液体との適性を示しています。
注 意
この表に記載されていないその他の使用方法・環境での選定については当社へご相談ください。
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一般選定法
一般選定表は、簡易選定表又は伝動能力表を使用する選定法で巻き掛け伝動に適用できます。

手順1 使用条件の整理

以下の使用条件を整理します。

・使用機械                         
・原動機の種類 電動機・内燃機関
・定格出力 kW(kW) (kW)
・駆動スプロケットの回転数 r1(rpm)        (rpm)
・従動スプロケットの回転数 r2(rpm) (rpm)
・負荷の性質(衝撃の有無) 円滑 ・ 衝撃小 ・ 衝撃大
・正逆転の有無 有 ・ 無
・起動停止の回数 (回/日) (回/日)
・稼動時間 (時間/日) (時間/日)
・雰囲気温度 (℃) (℃)

手順2 伝動能力の補正
使用条件から使用係数αuを求め、定格出力kWを補正します。
補正伝動能力kw´=定格出力×αu(kW)

手順3 チエンの選定
駆動スプロケットの歯数N1を15〜23のいずれかに仮定し伝動能力表を用い、
補正伝動能力kW´を満足するチエンを選定します。
歯数 チエン番号 列数 備考
                  
                   
                   

手順4 駆動スプロケットの軸径
駆動スプロケットの設計上の軸径が標準形スプロケット寸法表の軸穴径の最大以内であるかどうか確認します。設計軸径が標準形スプロケットに適しないときは、歯数を変更するかチエンを変更して再検討します。
チエン番号 No
駆動スプロケット歯数
設計上の軸径 (mm)
軸穴計最大 (mm)

手順5 従動スプロケット
従動スプロケットの歯数は、減速比 i より算出します。
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低速選定法

こ の選定法は、チエン速度が50m/min以下の巻き掛け伝動に適用できます。低速選定法はチエンの疲労強度を基準にチエンの選定を行うもので、一般選定法 で選定する場合よりチエンにとって厳しい使い方となります。つまり、ローラチエンの伝動能力を一杯に使用する使い方ですので、特に選定条件を把握して選定 してください。
注 意
・低速選定表では、標準形継手リンク及びオフセットリンクは使用できません。当社スーパー継手(しまりばめ)を使用してください。
・やむを得ず標準形継手リンクやオフセットリンクを使用するときは、チエンの最大許容荷重が下記のように低下しますので選定にご注意ください。

最大許容荷重
継手、オフセットリンクを使用しないとき 100%
スーパー継手を使用したとき 100%
標準形継手リンクを使用したとき 80%
オフセットリンクを使用したとき 65%

選定要領
(基本式)この選定法の基本的な考え方は、下記の式で示されます。
手順1 使用条件の整理
以下の使用条件を整理します。
使用機械               
原動機の種類 電動機 ・ 内燃機関
定格出力 (kW) (kW)
駆動スプロケット回転数 r1(rpm) (rpm)
従動スプロケット回転数 r2(rpm) (rpm)
負荷の性質 (衝撃の有無) 円滑・衝撃小・衝撃大
正逆転の有無 有 ・ 無
起動停止の回数 (回/日) (回/日)
稼動時間 (時間/日) (時間/日)
雰囲気温度 (℃) (℃)

手順2 一般選定法による選定 
一般選定法によりチエン番号とスプロケットを選定し、この値を基にチエン番号とスプロケット歯数を仮定します。

手順3 チエン速度を求めます。

手順4 チエン張力の計算

手順5 計算チエン張力 F の補正

手順6 チエンの選定
算出された補正チエン張力 F’ が選定したチエンの最大許容荷重以下のときは、そのチエンを選択できます。もし最大許容荷重を超えているときは、そのチエンは選択できません。チエンを変更(サイズアップ)して再検討してください。

手順7 駆動スプロケットの軸径
駆動スプロケットの設計上の軸径が標準形スプロケット寸法表の軸穴径の最大値以内であるかどうか確認します。
設計軸径が標準形スプロケットに適しないときは、歯数を変更するかチエンを変更して再検討します。
チエン番号 No
駆動スプロケット歯数            
設計上の軸径 (mm)
軸穴径の最大 (mm)

手順8 従動スプロケット
従動スプロケットの歯数は、減速比 i より算出します。
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吊り下げ駆動選定法
ローラチエンを吊り下げ装置や垂直運搬装置に使用するときは、以下の注意事項を守ったうえで正しい選定を行ってください。
危 険
・ローラチエンが破断しても、人命や装置に重大な被害が発生しないように落下防止装置を設置するなどして危険を防止してください。
・この選定法は、チエン速度が50m/min以下のときに適用できます。チエン速度が50m/minを超える使用条件のときは適用できませんので、当社までご相談ください。
・ローラチエンの端末に接続用として使用する取付け金具は「端末金具の設計、製作及び取扱上のガイドライン」を守ってください。設計、製作及び取扱いに不備があると破断等大きな事故となることがあります。
・オフセットリンクは使用できません。
・継手リンクは必ずスーパー継手(しまりばめ)を使用してください。やむをえず標準形継手リンク(すきまばめ)を使用するときは必ず最大許容荷重の強度低下を見込んで使用してください。

最大許容荷重
継手、オフセットリンクを使用しないとき 100%
スーパー継手を使用したとき 100%
標準形継手リンクを使用したとき 80%

手順1 条件の整理
下記の使用条件を整理します。
使用機械                  
荷重 W  (kg)
吊り下げ本数 n  (本)
移動速度(チエン速度) v 
  又は、スプロケット歯数 N
   スプロケット回転数 r 
(m/min)
              
(rpm)
負荷の性質(衝撃の大小) 円滑 ・ 衝撃小 ・ 衝撃大
稼動時間  (時間/日)
正逆の有無 有 ・ 無
起動停止の回数 (回/日)
雰囲気温度(℃) (℃)

注 意
運転時に著しい加速、減速が行われたり、起動停止の頻度が多いときは当社にご相談ください。

手順2 使用係数αuの決定

手順3 速度係数αvの決定

手順4 アンバランス荷重係数の決定

手順5 チエン張力の計算

手順6 チエンの選定
計算されたチエン張力 F が使用するチエンの最大許容荷重以下であればそのチエンは使用できます。もし、最大許容荷重を超えていればチエンを変更(サイズアップ等)して再計算してください。
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温度選定法
この選定法は、温度のみによる強度低下を考慮した選定法を示しています。
例えば、温度以外に強度を低下させる要因(腐食性ガスなど)が使用条件に加わるときはこの選定法は適用できません。

選定要領
ローラチ エンは使用される温度により強度が低下します。標準形ローラチエンは−10℃〜150℃の範囲では温度による強度低下はわずかです。しかし、極低温又は高 温のときは強度低下を見込んだ選定を必ず行ってください。標準形ローラチエンでは、使用されている材質及び熱処理、組立寸法等により下表を目安に選定して ください。

高温・低温時の標準形ローラチエン伝動能力の目安
温度 No60以下 No80以上
−30℃以下 使用不可 使用不可
−30℃〜−20℃ 使用不可 カタログ値×0.25
−20℃〜−10℃ カタログ値×0.3 カタログ値×0.5
−10℃〜150℃ カタログ値×1.0 カタログ値×1.0
150℃〜200℃ カタログ値×0.75 カタログ値×0.75
200℃〜250℃ カタログ値×0.3 カタログ値×0.5
250℃以上 使用不可 使用不可

注 意
・温度による選定を行う場合、下記のような現象がありますのでご注意のうえ選定してください。
@低温の場合
  ・材料の低温脆性による強度低下
  ・水分凍結による回転、屈曲不良
  ・潤滑油凍結による凝固
A高温の場合
  ・材料の酸化による強度低下
  ・熱処理効果減少による摩擦の進行
  ・熱膨張などによる回転、屈曲不良
  ・潤滑油の炭化による効果減少
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特殊環境下での選定法
本項でいう特殊環境とは、下記を想定しています。
  @チエンに水がかかる場合
  A酸、アルカリなどがチエンにかかる場合
これらの条件では、ステンレスローラチエンを選定してください。

注 意
標準形ローラチエン及びメッキチエン(ニッケルメッキ、LLメッキ)は腐食性の強い環境下では、腐食により強度低下、水素脆性破壊等の問題があり使用できません。

選定要領
@ステンレスローラチエンの選定法
  ステンレスローラチエンは必ず低速選定法により選定してください。

注 意
・必ず最大許容荷重以内で使用してください。
・チエン速度は50m/min以下で使用してください。
・オフセットリンクは使用しないでください。
・この選定法の条件に適さないときは、当社までご相談ください。

A水や酸、アルカリなどの腐食性液体がチエンにかかる場合は下記を参照して選定してください。
ステンレスローラチエンの耐食性
液体名 耐食性 液体名 耐食性
硫酸(5%) ×
水蒸気 酢酸(5%)
石鹸水 燐酸(10%)
アンモニア水 硝酸(5%)
苛性ソーダ(25%) フッ化水素 ×
海水 木酸
塩酸(2%) × 下水汚泥

注 意
・この表は代表例であり、実際の選定では使用条件のもとで事前にチエンの耐食性をチェックしてください。

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