七面山  (パノラマ台より撮影)

                       


                          

山行No 092
山行日 1999年11月27(土)
天候 晴れ
気温 山頂3℃
日ノ出 06:27
日ノ入 16:29
最大標高差 1489m (表参道登山口500m→七面山1989m)
コースタイム 400分
山で会った人 20人くらい
メンバー 単独行

500m 表参道登山口 6:45
↓ 200分 193分
1710m 敬慎院 9:58
↓ 50分 49分
1989m 七面山 10:47 11:45
↓ 40分 25分
1710m 敬慎院 12:10
↓ 30分 24分
晴雲坊 12:34 12:40
↓ 30分 26分
中適坊 13:06 13:13
↓ 20分 16分
肝心坊 13:29 13:38
↓ 30分 26分
500m 表参道登山口 14:04

                       

中央自動車道甲府南Iを降りたらT字路を右折して、最初の大きな交差点を左折すると
国道140号線となり市川大門方面へ笛吹川沿いに進んでいきます。
市川大門を過ぎるとT字路となるので、右折して三郡橋を渡る。
橋を渡たったら三郡橋北を左折し、大門で国道52号線と合流したら、
そのまま鰍沢町を抜けて、富士川沿いに南下していきます
西島トンネルを抜け、中富町を過ぎた飯富橋西詰の次の信号を左斜めに曲がり、西山温泉方面へ進む。
曙入口を左折し、早川橋を渡ったら直ぐに右折して南アルプス公園線を道なりに進む。
角橋トンネルを越えたら七面山登山口の看板があるので、これに従って左折する。
早川南小学校を過ぎ、細い道路を進んでいくと、道路行き止まりの手前、右側に駐車スペースがあります。


                    

羽衣にある駐車場
表参道口の神社前にも駐車スペースがあります。


                               

甲州鰍沢温泉 かじかの湯
所在地:山梨県南巨摩郡鰍沢町鳥谷137−1
TEL:0556−27−0002
駐車場:200台
営業時間:10時〜19時
入浴料:90分500円円
泉質:ナトリウム・カルシウム−塩化物温泉
種類:大浴場(寝湯、サウナ、ジャグジー、打たせ湯)、露天風呂
コメント:御影石を使った露天風呂が印象的
オススメ度:


                            

出発
今週末も天気が良さそうなでの、さっそく登山計画を立て始める。最近身体の調子が良いので登山時間の長い山に挑戦しようと思い、法華教の山として有名な七面山に決定した。初めての山域と長い登山時間に出発前から少々びびっている。
 八王子ICより中央道に乗ってから、ズボンのベルトを忘れたことに気が付いた。なにも長時間の山行の時に忘れなくても良いのにと前途が不安になるが、何かで代用できそうなのでそのまま車を走らせる。甲府南ICに着いたら先月に西山温泉に行った時と同じルートで車を走らせる。夜半に登山口付近の駐車場に車を止めたら、明日の天気を祈りつつ寝袋に潜り込んで朝を迎えた。

表参道口〜肝心坊
天気予報では寒気団が来ていると言っていたが、それほど寒くはなく、ズボンのベルトの代わりに毛布のゴムバンドを巻いたら表参道口へと向かう。肝心坊と書かれた看板に従って進んで行くと、荷役リフトがある所に出てしまった。これは間違ったと引き返し、古い旅館の裏を回ると表参道の入口に出ることができた。山門を潜るといよいよ長丁場の登山が始まる。山頂まで約4時間もかかるので体力を消耗しないように登って行く。ジグザグに伸びていく登山道は広く整備されており、各コーナーには何丁目と書かれた灯籠が置かれて、50丁目が敬慎院となる。1丁が約4〜5分程で、灯籠毎に日蓮上人の短い説教が書かれて、登りながら何だか説教されているかのような感じがする。紅葉が色づく参道を黙々と登っていくと、最初の宿坊である肝心坊に到着し、まだまだ先は長いので休憩しないで通過する。

肝心坊〜晴雲坊
徐々に高度を上げていくと、木々の隙間から白い山がチラチラと見えだしてきたが、多分甲斐駒だろうと思う。初めての山域なので山の位置関係が今ひとつ分からないが、それがまた何の山なのか考えながら登っていくのがウキウキしくて楽しくなる。高度を上げていくと紅葉もすっかり終わり、次の宿坊である中適坊に着いたら休憩をする。これだけ登ってもまだ半分も登っていないので、この先が思いやられる。中適坊からも同じような参道を黙々と登っていく。ここまでずっと参道の脇には多くのベンチや休憩舎が設置されており、何m毎に休憩の誘惑にさそわれそうになる。ちょっとベンチの数が多すぎるような気がするので、少し減らした方が良いのではないかと思う。標高も1200m位になってようやく半分まで登ってきた頃に、雲の上に富士山が顔を出してきた。西側からあまり富士山を見る機会が少ないが、どこから見ても富士山だ。一歩進む毎に何cmか高度を上げて、中適坊から何百メートルか登ったら最後の宿坊である36丁目の晴雲坊にやっと着いた。

晴雲坊〜七面山
宿坊にある立派な休憩舎の窓からも富士山が望むことができ、流れている湧き水を飲んだりしてここまでの疲れを癒したら、50丁目の敬慎院を目指して登り出す。46丁の和光関の山門まで登ると敬慎院の広い境内となり、登山道も倍に広がって山登りをしているのか、神社に参拝しに来ているのか混同してしまう。段々と雲行きが怪しくなり始め、玄洋門の前に来た時にはガスで真っ白になってしまい、玄洋門の前には展望所があり、富士山の御来光を崇めるようになっているのだが、これでは富士山どころか何も見えない。玄洋門を過ぎると宗教臭い参道から静かな山道となり、もうすぐ七面山の山頂だ。神社の鐘の音を聞きながら平坦な登山道を進んでいくと七面山の名前の由来となった大ガレと呼ばれる山頂付近の崩壊地のヘリに出た。そこから覗き込む大ガレは目も眩むばかりの高度感と、崩れ落ちている斜面の荒々しさに足がすくんでしまう。残念なことにガスが下から流れて殆どその景観を隠してしまうのが悔しい。ここから登山道は大ガレの淵をたどって急登が始まるが、ここまで1200m以上も登って来た体には相当きつい登りだ。ガスが充満した白っぽい登山道を流れ出る汗を拭いながら登って行くと、ようやく七面山の山頂に到着した。

七面山の山頂
ここまで費やした時間は4時間で、高度差も約1500mもあり、久々に山頂に登ったという感じがした。心配していたガスは東側の南アルプスの方には全く無く、これで木が邪魔していなければ本当に素晴らしい展望だったのにチョット残念だ。でも真正面には笊ヶ岳や布引山、その後ろには大きな赤石岳が見え、そして左手に何とか見えているのが光岳だ。ここまで南アルプスの南部の山々を間近に見るのは初めてで、その迫力に圧倒されそうになる。しかしそんな至福のひとときを邪魔するヤツがいた。山頂で無線をやっているヤツだ。別に無線をやっているからダメという訳ではなく、その声が大きいので静かな山頂はそいつの声で台無しになってしまった。くだらないお喋りを聞くために何時間もかけて登って来たんじゃない。少しはマナーを考えてもらいたものだ。山頂で鍋焼きうどんを食べて少し疲れを癒し、これからの長い下山の準備を終えたら往路を引き返すことにする。

七面山〜表参道口
山頂を下るとまたガスに巻かれてしまい、辺りは真っ白になってしまった。ガスが晴れていたのは山頂部だけだったようだ。薄暗い大ガレの淵を玄洋門まで下ったら、敬慎院の本社に寄ってみようと玄洋門を潜り境内へ入っていった。白いガスが流れる広い境内は静粛で、本社は実に立派な建物が建っており、こんな山中にこれだけの敷地と建物を建ててしまう信仰心に唯々恐れ入ってしまう。本社で参拝をしたら表参道に戻って唯ひたすらに下っていく。周りはガスに巻かれているので足下だけを見ながら下って晴雲坊、中適坊と高度を下げて行く。時々すれ違う登山者から「ご苦労様」と声を掛けられてしまうが、これが七面山の習慣だそうで、信仰心の無い私には「ご苦労様」と言われるのが実に申し訳なく、また自分からは決して言えない言葉だ。中適坊では熱心にお題目を唱えている信者がいて、そばに近寄れない凄みを感じた。肝心坊へ下っていく途中でも、下から「南無妙法蓮華教」とお題目を唱えながら登ってくる信者とすれ違い、こんな信仰の厚い山に私みたいな無信教の者が登っていいのかと恐縮してしまう。肝心坊を過ぎる頃にはガスは晴れてきて下界が見渡せるようになり、お土産屋を過ぎると懐かしい表参道口にようやく着いた。最後まで「ご苦労様」と挨拶が言えなかった。

反省
 今回の山行は久しぶりの長丁場でどうなるか心配だったけど、参道が整備されて歩き易かったのでどうにか終えることが出来た。しかし七面山というのは実に信仰の塊で出来上がったようであり、純粋に登山だけの山としては魅力が薄く感じてしまった。けど敬慎院からの登山道は静かでもあり、ナナイタガレの迫力は強く印象に残っている。これでガスが無かったらもっと良かったのにと悔やまれる。でももう一度晴れた日に登ろうという気は沸いてきそうにもない。