夜叉神峠より白根三山

                       


                          

山行No 063
山行日 1998年09月13日(日)
天候 晴れ
気温   
日ノ出 05:21
日ノ入 17:54
最大標高差 452m (夜叉神の森1380m→高谷山1842m)
コースタイム 150分
山で会った人 50人くらい
メンバー 単独行

1380m 夜叉神の森 5:31
↓ 60分 59分
1790m 夜叉神峠 6:30 6:57
↓ 30分 18分
1842m 高谷山 7:15 7:30
↓ 20分 12分
1790m 夜叉神峠 7:42 7:52
↓ 40分 35分
1380m 夜叉神の森 8:27

                       

中央自動車道甲府昭和ICを降りたら国道20号線を韮崎方面へ。
2つ目の立体道路の下にある交差点(たぶん竜王立体)を左折して芦安方面へ。
釜無川を渡り、八田村を過ぎて白根町に入ると、のT字路をとなり、これを右折します。
すぐに旭入口で左折して芦安温泉方面へ向かいます。
芦安温泉街を過ぎ、ヘヤピンカーブを越えていくと、夜叉神の森へと着きます。


                    

夜叉神の森の駐車スペース
約20台駐車可
ハイシーズンになると小屋泊まりの車が多くなり、
空きが少なくなるので、、早目に到着したほうが無難です。


                               

山口温泉 山口温泉
所在地:山梨県中巨摩郡竜王町篠原477
TEL:055−279−2611
駐車場:30台
営業時間:9時〜21時45分
入浴料:3時間500円
泉質:ナトリウム−炭酸水素塩・塩化物温泉
種類:岩風呂、露天風呂
コメント:住宅地の中にあるので、場所がチョット判りづらいです。
評価:


                            

出発前
9月になって本格的登山シーズンを迎え、まず何処の山にしようかと考えて出た答えが多摩川の源流となる笠取山だ。しかし金曜日は朝帰りをしてしまい、このコンデションで笠取山は無理と判断し、登山時間の短い高谷山に次の日に登ろうと変更した。天気は良さそうなので白根三山の展望が楽しみだ。

登山口〜夜叉神峠
 中央高速甲府昭和ICより目指す夜叉神峠へ。登山口にはたくさんの車が止まっていて、その合間に駐車する(皆さんは鳳凰三山に登るんだろうなぁ・・・)。夜中は冷え込んで寝袋の中で寒い朝を迎えると、日の出より登山口から夜叉神峠を目指して歩き出す。道は広く歩きやすいので夜中でもライトを付けて歩けそうだ。後ろから息を切らして何人かが追い抜いていくが、あんなに早いペースで大丈夫なのかと人事ながら心配になってしまう。展望は無いけどよく踏まれた登山道を、さっき追い抜いて行った人達を横目に見ながらゆっくり休まずに1時間程登っていくと急に目の前が開け、視界一杯に白根三山が飛び込んできた。間近に見る北岳や間ノ岳に茫然としてしまう。ここからちょっと登ると売店がある夜叉神峠に到着だ。

夜叉神峠〜高谷山
峠にいる人達は全員白根三山の方を向いているのが滑稽でもあるが、自分も北岳に目は釘付けにされてしまっている。双眼鏡で見るバットレスは迫力満点だ。(北岳の山頂で鏡の反射をしているのが肉眼でもわかるほどの距離。)売店でバッチを買って、番犬の白い犬と遊んだら高谷山を目指して夜叉神峠を後にする。夜叉神峠への道から逸れると途端に登山道は急に荒れ、クモの巣にも何度も引っかかってしまう。薄暗い森の中は不気味なので鈴を付けて20分程登っていくと、高谷山の山頂に到着した。北岳方面は木が刈ってあるが、それ以外は展望の無い薄暗い陰湿な山頂だ。

高谷山〜夜叉神の森
北岳を見ながら食事の用意(カップーヌードルのカレー味)をしていると、下の方から「ボキッ」という太い木の折れる音が何度も聞こえてきた。誰かが登ってくるのかなと思ったけど、登山道の無い所なので変に思って山頂から下を覗いてみると、何と黒い犬位の大きさのが約20m程下方から登ってきているではないか!(ヤバイ!!どうしよう・・・) 急いで逃げる支度(お湯を入れたばかりのカップヌードルもそのままザックに入れた)をしていると姿は見えないが「アウアウ」と吠えてきた。恐らく熊もこちらの存在に驚いて威嚇の声を出しているのだろう。こっちも最初は口笛で応えていたけど、犬を呼んでいるようなので、声をあげて人間の存在をアピールした(早く片付けて臨戦態勢にしないと!)。鳴き声の応戦をしながらザックに適当に物を詰めるが(どんな時も山を汚してはいけない。たとえ熊と遭遇しても)、慌てていたので全部は入らず、ビニール袋とガスコンロを手に持ってザックを背負ったら冷や汗をかきながら山頂を後にする(まだ熊は山頂まで上がっていない)。熊は走ると追いかけて来るので、お互いに姿が見えないのを幸いに、後ろを振り返りながら早足で夜叉神峠まで降りていく(熊は鳴き声をまだあげている)。夜叉神峠付近まで降りると熊の声もしなくなり、もう大丈夫だろうとザックの中を整理してパッキングをやり直す。食べかけのラーメンが臭う(しかもカレー)。予定ではもう一度夜叉神峠に行こうかと思っていたけど、もう早く山を降りたかったので登山道を下り始めた。ちょっと下った所で老夫婦がオコジョを見たという。辺りを探してみるとネズミのような茶色い小動物が走っていた。オコジョかどうかは分からないが、こっちは熊を見た後なのでどうでも良かった。登山口まで降りるとやっとホッとした。

下山後
 今回は熊に遭遇してしまった。歩いている時は鈴が鳴るが、食事中はザックを下ろすため鈴は鳴らないので、これからは食事中も身体に鈴を付けないとダメだ(それともヤツはカップヌードルの臭いに誘われたのか?)。熊に遭った時のことを頭で想像はしていたが、いざ実際に遭ってみると家族の顔が走馬灯のように頭に浮かんで慌ててしまう。目を反らさずに合わせるなんて怖くて出来ない。しばらくは熊恐怖症になるだろう。山で会う単独行の人の中に鈴を付けずに歩いている人がいますが、熊には気をつけましょう。

夜叉神峠からの展望写真