鷹ノ巣山 (日陰名栗峰より撮影) |
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山行No | 013 |
山行日 | 1996年05月11日(土) |
天候 | 晴れ |
気温 | 七ツ石山25℃ |
日ノ出 | 04:39 |
日ノ入 | 18:36 |
最大標高差 | 1217m (鴨沢540m→七ツ石山1757m) |
コースタイム | 435分 |
山で会った人 | 多数 |
メンバー | 単独行 |
620m | 東日原バス停 | 6:30 | ||
↓ 5分 | 3分 | |||
620m | 登山口 | 6:33 | ||
↓ 30分 | 33分 | |||
770m | 巳ノ戸林道分岐 | 7:06 | ||
↓ 30分 | 18分 | |||
890m | 稲村岩鞍部 | 7:24 | 〜 | 7:30 |
↓ 100分 | 106分 | |||
1562m | ヒルメシ食いのタワ | 9:16 | 〜 | 9:24 |
↓ 30分 | 31分 | |||
1737m | 鷹ノ巣山 | 9:55 | 〜 | 10:44 |
↓ 10分 | 9分 | |||
1570m | 避難小屋 | 10:53 | ||
↓ 55分 | 83分 | |||
1680m | 千本ツツジ | 12:16 | ||
↓ 45分 | 25分 | |||
1757m | 七ツ石山 | 12:41 | 〜 | 13:15 |
↓ 10分 | 9分 | |||
1660m | ブナ坂分岐 | 13:24 | ||
↓ 50分 | 51分 | |||
1250m | 堂 所 | 14:15 | ||
↓ 60分 | 69分 | |||
780m | 小袖乗越 | 15:24 | ||
↓ 20分 | 29分 | |||
540m | 鴨沢バス停 | 15:53 |
行き
中央線立川駅で青梅線に乗り換える。
青梅線奥多摩駅にて下車。
奥多摩駅より東日原行きのバスに乗り、東日原下車。
平日は鍾乳洞行きのバスに乗り、東日原下車。
帰り
鴨沢より奥多摩行きのバスに乗る
鴨沢でバスが来ないようであれば、留浦始発のバスある。
問い合わせ | JR東日本 | http://www.jreast.co.jp |
西日本バス本社 |
日原鍾乳洞の駐車場
小袖乗越にも駐車スペースあり。
もえぎの湯 東京都西多摩郡奥多摩町氷川119−1 駐車場:30台 営業時間10時〜21時(12月〜2月は19時まで) 入浴料:2時間700円 泉質:フッ素系温泉 種類:大浴場、露天風呂 コメント:建物の規模が小さいので、休日には満員状態になりやすいです。 比較的に午前中ならゆっくり入れそうです。 オススメ度: |
出発〜東日原
いつもの豊田発に乗り奥多摩へ。今日は鷹ノ巣山を日原側から登り七ツ石山を経て鴨沢に下るコースだ。鷹ノ巣山に登る稲村尾根は奥多摩の中でもきついコースとして有名なので少々不安でもある。奥多摩駅からバスに乗って東日原へ。バスの中は全員登山者だが、後ろに座っている学生どもがうるさくて不愉快にしてくれる。以前、川苔山に行くときもこのバスに乗ったけど、その時は私一人だけが乗客だったのに今日は座席が全部埋まっている。
東日原〜鷹ノ巣山
東日原のバス停から5分程度で車道から離れて、民家の間を通り山道へと入っていく。目の前には稲村岩が聳えているのが見える。巳ノ戸橋を渡ると本格的な山道となり、傾斜もきつくなってきた。後のことを考えて出来るだけゆっくりと歩くが、真っ直ぐに立っていられない程の急坂だ。これが頂上まで続くと思うと気が滅入ってくる。巳ノ戸林道を右に分けてから更に道は急になり、ジグザグに登っていくと稲村岩の鞍部に着き、ここで小休止。稲村岩まで往復しようかと思ったけど、まだ先が長いのでやめた。ここから山頂まであと2時間以上もあるが、山頂には素晴らしいものが待っているだろうと、気を奮い立たせて登り始める(そうでも考えないとヤッテられない)。急な坂道をただひたすら登る。少し登っては休みながら少しずつ高度を稼いでいくが、やはり噂通りのきつい坂だ。このルートは前から地図で気になっていたので、最早この道を避けられない宿命のように感じていた(大袈裟)。だから尚更この道でヘコたれることは負けることのような気がして、どんなことがあっても頂上までがんばろうと思った(とは言ってもなかなか手強い)。急坂を登り切っても、また新たに急坂が待ちかまえている。急坂を登る度に疲れが増して、段々と自分の視野が狭くまってくるのがわかる。そして急登を1時間半以上も登ってようやくヒルメシ喰いのタワと呼ばれる台地状に着いた。誰かがキャンプをした跡にゴミが散乱していて(ホームレスか?)、非常に気分が悪い。ここから山頂まではもう一息だ。山頂らしいものが見えているので、意を決して頂上目指して登り始める。ヒルメシ喰いのタワから少し緩やかな道があるが、鷹ノ巣山のピークに取りついてからまた急坂が続くようになる。10歩進む度に一息いれるような登り方になり、また足を高く上げられないから木の根につまずいてしまう始末。そして急に辺りが明るくなり、やっと山頂登ってきたのだ!。
鷹ノ巣山〜高安山
もうフラフラになりながら鷹ノ巣山山頂の三角点にタッチした。ここまで本当に長く辛い道のりだった。登山口から3時間20分かかってやっと山頂に辿り着いた。鷹ノ巣山の山頂は今までがんばって登ってきた甲斐があったと納得できる素晴らしい展望が待っていた。東には大岳山、西には意外に近く見える大菩薩連嶺。そして山々を下に従えて中央には富士山が見える。富士山の前には三頭山、そして大菩薩嶺の右には南アルプスまでもが見える。この広い展望を目の前にしながら朝食にしていると、次々に登山者が日陰名栗峰の方から登ってくる。約1時間程山頂にいて、体と心を癒してから憧れの石尾根を通って七ツ石山へと向かう。鷹ノ巣山のピークを下ると新しい非難小屋が建っている。(こんな非難小屋なら喜んで非難しちゃう)。そしてその小屋の前にて自転車に乗って登ってきた人を見て驚いた(どこにも凄いヤツはいる)。非難小屋を通り過ぎると登りになるが、防火帯の日当たりの良い登山道なので、そんなに苦にならない。日陰名栗峰へ寄ろうと一般ルートから外れて登っていくと、後ろに鷹ノ巣山が高度を上げるにつれて、違った顔を見せてくれる。日陰名栗峰のピークに立つと何も無く、三角点も見当たらないので少々拍子抜け。ピークを下って鞍部に降りた所で一般ルートと交わりそうになるが、この際だから高安山にも登ってしまえと思い、また急坂を登り始める。道はあまりはっきりしておらず急で登りづらい。別にこんな思いまでして高安山に登らなくても良いのだが、後できっと後悔するだろうと思うと登らずにはいられない。高安山の山頂も何もなく、日陰名栗峰の山頂とよく似ている。日陰名栗峰のピークは真っ直ぐであったが、高安山のピークは左に曲がっているのが相違点だ。ピークのちょっと下で樹の皮が剥がれているのを発見し、ちょっと怖くなり熊除けの鈴を身につける。
高安山〜七ツ石山
高安山を下っていくと千本ツツジと呼ばれる所に着く。千本ツツジといっても花はどこにも咲いていない。ここまでピークを2つも余計に越えてきたので予定より30分遅れている。ここから一般ルートを進んで遅れた分を取り戻さなければ帰りのバスの事が心配なので、少しペースを上げて細い登山道を進んでいくと神社が立っていた。これは七ツ石神社といって平将門の共をした武者七人が石と化し、その霊を祀っているらしい。この神社からひと登りで坊主頭のように丸くなっている七ツ石山の山頂に到着だ。何人かが昼寝をしていて、静かでのんびりとした雰囲気だ。山頂からは雲取山が手に届きそうなところに見えている。鷹ノ巣山で食事をしてから3時間しか経っていないので、お腹はあまり空いていないけど荷物を軽くしたいので用意してきたざるそばを食べた。けれどこのざるそばは少し酸っぱくなって何だかおかしい。、腹も何となく痛くなってきたような気がたけど、残したらザックの中が臭くなるだろうと思って、一気にそばを流し込んだら急いで正露丸を飲んだ。ここまで水を大事に少しずつ飲んできたが、あとボトル1本しか残っていない。行程が長い時は多めに水を背負った方がいいようだ(水が無くなった時は遭難するかも知れない
七ツ石山〜小袖乗越
。七ツ石山にてひと休みしたら、雲取山を前にしながら急なブナ坂を降りる。今日は残念ながら雲取山へは登らないが、いつかはあの山に登ってみたい。急な坂を降り切るとブナ坂の分岐に着き、その分岐点から鴨沢方面へと下っていく。道は狭いが緩やかな下り坂なので余裕を持って降りることができる。次々と登山者が登ってくるが、みんな雲取山荘に泊まるのだろう(少し羨ましい気がする)。人気のある山なので色々なタイプの登山者とすれ違うが、残念なことに何となく冷たい印象を受け、挨拶もロクに出来ない人もいる。そしてたくさんの登山者の中にコナカさん(近所のおばちゃん)がいたことには驚いた。まさかこんな山の中で出会うなんて妙な気分だ。降り始めてから50分程で堂所と呼ばれる小広い所に出た。昔はこんな所で博打をしていたそうである(なにもこんな所で・・・)。休憩しようかと思ったが、帰りのバスの時間が気になるので堂所を通過した。クネクネと山を巻きながら暗い樹林帯や明るい山道を進んで行き、途中で湧き水が出ている所があったので、そこで小休止して、湧き水で今までの喉の渇きを一気に潤したらまた下り出す。これだけ楽な下り坂だから、いつかは急な坂が待っているだろうと覚悟していたけど、そのまま小袖乗越に到着してしまった。
小袖乗越〜奥多摩駅
少々時間がオーバーしているが、ここまで殆ど休憩無しで降りてきたのに時間オーバーとは何か納得がいかない。小袖乗越にて車道を鴨沢方面へと降りていく。地図では車道を少し進んだらまた山道となっているが、山道への入口がどこなのか判らず、探す時間もないので車道を進んでいった。どうせ車道を進んでも出てくる所は一緒なので、このまま車道を進んでいったが、時間ばかり過ぎて一向にバス停らしきものが見えてこない。歩くスピードを時の進む速さが追い越してしまいそうな気分になった。このままでは最終バスに乗れそうにないので留浦発のバスに乗ろうと諦めた。諦めたら気持ちが楽になった。ずっと車道を降りていくと前に一般道が見えてきたので、もしやと思い急いで坂を駆け下りると知らないバス停の前に出た。そしてバスがこちらに向かっているではないか。しかも2台続けて。目を疑ったがバスが止まって奥多摩行きのバスに乗れてしまった。どうやら鴨沢にて登山者が多く出発時間に遅れて出発したらしいが、あと1分バス停に着くのが遅かったらバスに乗れなかっただろう。もうクタクタだったのでバスに乗れて本当に嬉しかった。そして予定通りの時間に奥多摩駅に到着した。駅は人で混雑しているので、トイレで着替えをして予定通りの立川行きの電車に乗った。電車の中でビールをうまそうに飲んでいる人がいたので、帰り際に酒屋によってビールを買って帰宅した。
下山後
今回の山行は歩行時間が少し長かったようだ。あんまり長いと歩くのが面倒になってしまう。すこし歩き足りないくらいが楽しいかも知れない。そして一番の体力消耗の原因はあの稲村尾根の登りである。あの登りで体力の半分以上を使ってしまったような気がする。だけど、それだけに登り切ったぞという征服感は一層強いものになった。またあの尾根を登ろうとは思わないが良い経験をさせてもらった。これからの登山の自信になるだろう。それと、水について考えさせられた。これからもっと暑くなるので水だけは重くても多めに背負って行こうと思う。山の中で水が無くなった時のことを思うとゾッとする。